応急措置その5

応急手当(腹痛・痙攣)

・腹痛

 

腹痛を訴える病気の中で注意したいのは、急性腹症で、早急に手術しないと生命に危険の及ぶものが多いので、特に重視しなければなりません。

 

主なものは、胃、十二指腸の潰瘍や穿孔、腸閉塞、急性虫垂炎、急性胆のう炎、腹部のけがなどです。また、女性の場合には、卵巣などの突然の病気で激しい腹痛や出血が起こることがあります。

 

<症状>

・激しい腹痛を訴える。

・顔色は蒼白で、額に冷や汗をうかべ、脈は弱く速い。

・意識が障害されることがある。

・一般に腹部は張ったように固く、嘔吐などを伴う。

 


手当

・ベルトなどを緩め、本人の最も楽な体位に寝かせます。
・横向きで体を丸めた体位か、上向きで膝を曲げた体位をとらせます。
・腹を温めたり、冷やしたり、下剤を与えてはいけません。
・飲食物を与えてはいけません。
・急いで医療機関に搬送します。
・吐いたものは医師に見せます。
・腹痛の部位(どの部分か)、程度(どのような)、時間(続けて、ときどきなど)を医師に報告します。

 

・痙攣

 

痙攣は、全身にみられる場合と、体の一部にみられる場合とがあります。頭のけが、脳卒中、てんかん、中毒、熱中症や、こどもでは発熱などによって起こることが多く、まれに重い病気が原因のときもあります。

 

<症状>(てんかん発作)

・突然意識がなくなり、全身がまずかたくつっぱり、次いで全身ががたがたと律動的に痙攣する。

・呼吸困難となり、顔色は青く、チアノーゼがみられることが多い。

・歯をくいしばったり、白目をむくことがある。

・尿や便を失禁する場合もある。

・ときには吐いたり、口から泡を出したりもする。

・痙攣が長引くと呼吸ができにくいので危険であるが、大体1~2分間、長くても5分以内でおさまるのが普通である。

 

<手当>

・衣服のボタンをはずし、楽に呼吸ができるようにします。

・分泌物や嘔吐物で窒息の恐れがあるときには、回復体位もしくは顔を横に向けて気道を確保します。

・発作時には倒れて体を強く打つことが多いので、全身、特に頭を打っていないかよく調べます。

・保温します。

・痙攣の発作中、奥歯の間に割り箸、手拭などを入れることは避けます。舌や口内をきずつけたり、舌を喉に押し込んだり、呼吸困難を起こすことがあります。

・名前を呼んだり、ゆり動かして刺激を加えたり、無理に押さえつけたりしません。

・急いで医療機関に搬送します。

 

 

※痙攣の原因の診断には、正確な情報が唯一の手がかりとなるので、以下のことを要領よくまとめて医師に報告します。

・どんな痙攣が

・いつ(どんなときに)

・どんなところで

・どうして(どのようなことがあった後で)

・どんなふうに起こった

・どのくらい続いたか(持続時間)

 

 

応急手当(じんましん・脳虚血)

・じんましん

 

じんましんは、食事、飲酒、薬、寒冷、温熱、日光その他の光線、運動、精神的影響、慢性の病気などが原因となります。

 

<症状>

原因がどれであっても、発疹はだいたい同じで、皮膚が膨らみ、かゆみが強い。普通、一時的なもので2~3時間から24時間くらいで消える。

 

<手当>

・かゆみを止めるためには、冷やすのが一番よい方法です。治療は原因を取り除くこと以外にありませんが、くり返し出る場合には、医師の診療を受けさせます。

 

・寒冷じんましんは、冷水や冷気によって起こるものですから、毛布などで全身を包むか、ぬるめの風呂に入って徐々に湯温を上げながら体を温めたりします。水泳中であれば、直ちに水から上がり保温して安静にします。

 

 

 

・脳虚血

 

脳に行く血液の流れが一時的に少なくなり、気が遠くなるか気を失うことを脳虚血といいます。普段から比較的血圧の低い人が、気温の高い所で長時間立っていたり、湯ぶねから急に立ち上がったり、神経質な人がひどく驚いたり、恐れた

り、精神感動によって起こることがあります。

そのほか、急に多量の血液や水分を失ったときにも起こります。

 

<症状>

・顔が蒼白になる。

・冷や汗をかく。

・皮膚が冷たくなる。

・脈が弱くなる。普通、遅いことが多い。

・めまいや気が遠くなることを訴える。

・手足の感覚がなくなるような訴えがある。

 

<手当>

・水平か、または足の方を高くして寝かせます。

・気道を確保できる体位を保ちます。

・衣類や、体をしめつけているものを緩めます。

・保温をします。

・倒れたときに、けがをしていないか調べます。

・回復が遅いときには、別の病気がないか医師の診療を受けさせます。

 

 

 

応急手当(中毒・熱中症)

・ガス中毒

 

自動車の排気ガス、天然ガス、液化石油ガス(プロパンガスなど)、一酸化炭素、亜硫酸ガス、塩素、シンナー、石油化学製品のほか、新建材その他が燃焼して発生する有毒ガスなどの吸入によって起こります。

 

<症状>

・気分が悪くなり、あくびが出て、頭痛、めまい、吐き気を起こす。

・手足がしびれて動けなくなる。

・重症になると、意識が障害され呼吸が停止し、死に至ることもある。

・すぐに意識が戻り、症状が見られなくなっても、数日あるいは数週間後に、記憶障害など神経症状があらわれることがある。

 

<手当>

・直ちに119番通報します。(意識がはっきりしていて症状がおさまっても、できるだけ早く医師の診療を受けさせます。)

・新鮮な空気のところに傷病者を運び出し、衣類を緩めます。

※意識があっても、歩かせてはいけません。

※体を起こしたり、ゆすったりすると、吐くことが多いので、静かに運びます。

・保温します。

・意識がなければ、一次救命処置の手順により手当を行います。

 

※救助者は救助に際しては引火性のガスによる爆発のおそれや、化学薬品などによる二次事故の危険があるため、周囲の状況を観察し、救助者自身の安全の確保に努めます。

 

 

 

・薬物中毒

 

いずれも、食べたり、飲んだり、皮膚から吸収されたり、肺に吸い込んだり、注射によって中毒を起こします。

医薬品で中毒を起こし、手当が必要になる例の主なものは、鎮静睡眠薬(精神安定薬を含む)などです。

化学薬品には、化粧品、洗剤、塗料や接着剤からの揮発性物質などがあります。

 

<症状>

・健康であった人に急に様々な症状が現れる。(頭痛、吐き気、嘔吐、下痢、腹痛、呼吸困難、血圧低下、意識レベルの低下、痙攣など)

・唇や口の回りのただれや、吐く息のにおいの異常など

 

<手当>

・119番、医療機関あるいは日本中毒情報センターに電話して、指示を受けます。

・傷病者が飲んだ薬品の容器に中毒に対する注意書があったら、その指示に従います。

・医療機関に搬送するときは、薬品の容器や傷病者の吐いたものを忘れずに持って行きます。

 

■連絡先

大阪中毒110番:072-727-2499(毎日24時間、年中無休)

つくば中毒110番:029-852-9999(毎日9~21時、年中無休)

たばこ専用電話:072-726-9922(毎日24時間、年中無休、テープによる情報提供)

(財)日本中毒情報センターHP

 

 

 

・食中毒

 

調理してから食べるまでに時間がたった食物や、生の食品が細菌で汚染されると、増殖した細菌そのもの、または細菌の出す毒素が中毒の原因となります。これを食中毒といいます。

 

<症状>

・腹痛、嘔吐、下痢で始まり熱が出る。

・ボツリヌス菌中毒では、眼球、喉、食道の筋肉麻痺などの神経系の症状として、物が2つに見えたり、飲み込むことや、呼吸ができなくなったりします。

 

<手当>

・嘔吐・下痢がある場合は脱水を防止するため、嘔吐を誘発しないように水分を少量ずつ頻回に与えます。

・吐いた物が気管に入らないような体位(回復体位)をとらせます。

・できるだけ早く医師の診療を受けさせます。

※ 吐いた物や便などは医師に見せます。

 

 

 

・熱中症

高温や高湿の環境下で起こる全身の熱障害を熱中症といい、症状により熱痙攣、熱疲労、体温調節機能障害を伴う熱射病に分けられます。

 

・熱痙攣

高温の環境下で作業や運動をした時などに起こる、痛みを伴った筋肉の痙攣であり、吐き気や腹痛を伴います。

大量の発汗があるのに水分を補給しなかったり、塩分を含まない水分のみを補給したときに起こり、体温の上昇があってもわずかです。

 

・熱疲労

高温の環境下で、ことに蒸し暑いところで、疲労感、頭痛、めまい、吐き気などの症状が認められます。

大量の発汗による脱水症状であり、汗の蒸発による熱放散が不足するために体温は上昇します。

 

・熱射病

高温の環境下で体温調節機能が破綻した状態をいいます。異常な体温の上昇と興奮、錯乱、痙攣、昏睡などの意識障害が特徴である。発汗の停止によって皮膚は乾燥し、手当が遅れればショックや細胞・臓器障害に陥り、死亡することもあるので危険です。

 

 

<手当>

・風通しが良い日陰や冷房の効いた所に運び、衣類をゆるめて楽にします。

・本人が楽な体位にしますが、顔面が蒼白で脈が弱いときには、足を高くした体位にします。

・意識があり、吐き気や嘔吐などがなければ、水分補給をさせます。スポーツ飲料(塩分が含まれている)か、薄い食塩水などを飲ませます。

・皮膚の温度が高いときには、水で全身の皮膚をぬらし、あおいで風を送り体温を下げます。

・皮膚が冷たかったり、震えがあるときには、乾いたタオルなどで皮膚をマッサージします。

・このような手当をしても、熱痙攣や熱疲労の症状がおさまらないときは、できるだけ早く医師の診療を受けさせます。

・熱射病の症状があるときは、急いで医療機関に搬送します。

・意識がないときは、一次救命処置の手順により手当を行います。

 

 

地震マップ@eq_map


-天気予報コム-
アクセスカウンター
アクセスカウンター
アクセスカウンター